ノーベル物理学賞分野
AI研究で先駆的な成果
を残した“日本人研究者”
が語る数理の世界
1958年 |
東京大学工学部 応用物理学科 数理工学コース卒業 |
---|---|
1963年 |
東京大学大学院 数物系研究科 応用物理学専攻 博士課程修了 工学博士 |
1963年 |
九州大学工学部 通信工学科助教授 |
1967年 |
東京大学工学部 計数工学科助教授 |
1975年 |
米国マサチューセッツ州立大学 客員研究員 |
1981年 |
東京大学工学部 計数工学科教授 |
1994年 |
理化学研究所 国際フロンティア研究システム 情報処理研究グループ ディレクター |
1996年 |
東京大学定年退職・名誉教授 |
2003年 |
理化学研究所 脳科学総合研究センター センター長 |
2008年 |
理化学研究所 脳科学総合研究センター 特別顧問 |
2009年 |
理化学研究所 脳科学総合研究センター シニア チームリーダー兼務 |
2011年 |
瑞宝中綬章受章 |
2012年 |
文化功労者 |
2018年 |
理化学研究所・栄誉研究員 |
2019年 |
文化勲章受章 |
現在 |
東京大学名誉教授 国立研究開発法人理化学研究所栄誉研究員 帝京大学先端総合研究機構特任教授 |
主要著訳書 |
『計算機科学入門』(共訳,サイエンス社) 『新版 情報幾何学の新展開』(サイエンス社) 『深層学習と統計神経力学』(サイエンス社) 『神経回路網モデルとコネクショニズム』(東京大学出版会) 『シリーズ脳科学』(監修,東京大学出版会) 『情報理論』(ちくま学芸文庫)(筑摩書房) 『神経回路網の数理-脳の情報処理様式』(ちくま学芸文庫)(産業図書) 『情報幾何の方法』(共著,岩波書店) 『Information Geometry and Its Applications』(Springer) 『Information geometry of Wasserstein statistics on shapes and affine deformations』(共著,Springer) |
見出し | ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。テキストは「右寄せ」「中央寄せ」「左寄せ」といった整列方向、「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」、「文字サイズ」「文字色」「文字の背景色」など細かく編集することができます。 |
なぜいま数理全盛の時代なのか?
現代の高度情報化社会に暮らす私たちの身のまわりでは、大規模・複雑化したシステムが安全かつ効率的に運用・制御されています。これらは機械・電気電子・化学・航空宇宙・材料工学・土木交通・経済金融・医療など様々な専門分野の技術が融合した形態を取っているため、複雑なシステムの最適化が必要です。これらに対し、数理、すわなち数理工学の手法は、数学と物理学に基礎をおき、分野を横断して複雑な問題を数理モデル化し、効率的に解くための強力なツールとして機能しているのです。
ChatGPT(OpenAI)、Gemini(Google)、Copilot(Microsoft)、Claude(Anthropic)など画期的な生成AIが次々と登場し、ビジネスの世界で積極的に導入され、世界的に注目を集めるようになりました。これらの生成AIは特徴の違いはあれど、大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)という膨大なテキストデータと高度な深層学習(ディープラーニング)技術を用いて構築された自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)と呼ばれる分野における革新的な技術が搭載されています。これら生成AIのしくみも数理工学の手法が基盤になっているのです。
世界的に評価されている甘利先生の65年を超える研究成果の集大成とその研究人生に触れてみたい。
第1章 数理工学への入門 ― 大学院時代
1.1 数理工学の門を叩く
1.2 数理コースは苦闘する
1.3 自由な世界
1.4 電気回路網のトポロジー ― ホモロジー,コホモロジーと双対性
1.5 連続体力学 ― 非リーマン塑性論
1.6 信号空間の情報理論
こぼれ話1 近藤一夫小伝
こぼれ話2 コンピュータと私
第2章 AI研究と数理脳科学の原点 ― 九州大学時代
2.1 自由の天地 九州大学
2.2 機械学習 ― 確率的勾配降下法の始まり
こぼれ話3 深層学習の起源
第3章 東京大学へ ― 激動の時代:神経回路網の数理
3.1 東京大学へ戻って
3.2 統計神経力学の始まり
3.3 神経集団の力学
3.4 統計神経力学の基礎
3.5 連想記憶モデル
3.6 初めてのアメリカ
3.7 神経場のパターン力学
3.8 神経回路網の自己組織化
3.9 神経場の自己組織化
3.10 統計神経力学
こぼれ話4 外国旅行の想い出
第4章 情報幾何の始まりと展開
4.1 情報幾何のできるまで
4.2 確率分布族のなす空間 ― リーマン空間と双対接続
4.3 ダイバージェンスと情報幾何
4.4 双対平坦空間とBregmanダイバージェンス
4.5 統計的推論の高次漸近理論
4.6 検定の高次漸近理論
4.7 高次漸近理論は有効か,最尤推定は最良か?
4.8 時系列と線形システムの情報幾何
こぼれ話5 長岡浩司の幻の論文
こぼれ話6 ロシアの科学と私
こぼれ話7 秘書列伝
第5章 世界への進出 ― ニューロブーム,バブル期とその崩壊
5.1 第2次ニューロブームの到来
5.2 学界の国際政治の暗部
5.3 ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム
5.4 リアルワールドコンピューティング計画
5.5 文部省の重点研究
5.6 Boltzmann機械と情報幾何
5.7 機械学習
5.8 局外母数のある統計モデルとNeyman-Scott問題
:セミパラメトリック確率モデルの幾何
5.9 比例係数の問題
5.10 神経パルス列の発火特性
こぼれ話8 京都賞
こぼれ話9 私を超えていった研究者:川人光男と合原一幸
こぼれ話10 白タク事件
第6章 理化学研究所 ― 研究者の天国
6.1 理化学研究所へ
6.2 独立成分分析と情報幾何
6.3 神経スパイクの高次相関と階層モデルの情報幾何
6.4 自然勾配学習法
6.5 センター長時代 ― 管理の仕事
6.6 情報統合と意識の情報幾何
こぼれ話11 研究者倫理と盗作疑惑あれこれ
第7章 研究は私の趣味 ― 退官後の研究
7.1 統計神経力学
7.2 Wasserstein情報幾何
7.3 3層パーセプトロンの学習とWasserstein幾何
7.4 未解決の問題 ― 多端子統計推論
こぼれ話12 甘利一族
あとがき
文献一覧
索引
サイエンス社・新世社・数理工学社は「サイエンス社グループ」を構成しています.
サイエンス社は高名な山内恭彦博士に命名して頂き昭和44年(1969年)に創業した出版社です.
出版分野は社名のイメージに近いパブリッシャーカラーを創るため,自然科学・情報科学・工学などの理工系学術専門書ならびに雑誌「数理科学」の刊行を手始めに,現在は法学・経済学・経営学・会計学・心理学などの社会人文科学系全般にわたる学術専門書を刊行しています.
それぞれの分野で第一級のすぐれた著者陣の力強いご支援をいただき,最良・最高の書籍・雑誌をめざして日々企画編集につとめています.
社会科学系出版の新世社,工学系出版の数理工学社が刊行する書籍はサイエンス社が発売元として頒布しています.
会社名 |
株式会社 サイエンス社 |
---|---|
代表者 | 森平敏孝 |
所在地 |
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-3-25 |
資本金 | 1000万円 |
創業 | 昭和44年9月(1969年) |
関連会社 | 株式会社 新世社(社会科学系出版) 株式会社 数理工学社(工学系出版) |
見出し | ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。テキストは「右寄せ」「中央寄せ」「左寄せ」といった整列方向、「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」、「文字サイズ」「文字色」「文字の背景色」など細かく編集することができます。 |
雑誌「数理科学」
2006年度 日本数学会出版賞受賞
科学の最前線を紹介する月刊誌
自然科学と社会科学はいまどこまで研究されているか,つねに科学の最前線を明らかにし,大学・企業で注目を浴びている雑誌です.
毎月20日発売 B5判 約80ページ 定価(本体:954円+税)